C4芝にCO₂噴霧は不要なのでは?
- Growth and Progress
- 2019年2月23日
- 読了時間: 1分
更新日:2019年9月4日
唐突な話題で申し訳ないです。
備忘録的な意味もあり植物に対するCO₂噴霧の効果についてメモをまとめました。
C3植物はその特徴として強光の影響下ではカルビン回路が誤動作し「光合成」(エネルギーを蓄える反応)が「光呼吸」(エネルギーを消費する反応)になってしまいます。そのためベントグラスやライグラスなどC3芝は夏の強光・高温下では成長力が衰えるばかりか、所謂「根上がり」が発生します。
そこで強光を照射するのと同時に人為的にCO2を噴霧し成長促進させることで、急速な成長を促す画期的な方法が開発されました。(2012頃)
C3植物、C3芝に対しては大変効果のある補修方法です。
一方C4植物、例えば日本のグラウンドでよく使用されるティフトンやコウライなどのC4芝は、CO₂補償点が低く通常大気のCO₂濃度で成長が飽和します。ざっくり言うとC4植物の光合成回路にはC3植物と違いカルビン回路の前段にCO₂濃縮回路がついているためです。
下記はwikimedia参照のグラフ
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Photosynthese_CO2-Konzentration.svg
縦軸が光の強さ、横軸がCO₂濃度です。

下記は、気象庁ホームページに公開されている地球全体のCO2濃度の経年変化です。

以前は350ppm程度だったCO2濃度は2018年ですでに400ppmに達しています。
上記二つの事実を重ねますと、
CO₂濃度が400ppmを超えている現在、C4植物、C4芝にさらにCO₂を噴霧することが無意味であることがわかります。
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